狭間のブログ

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Sing For You 先行上映会

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※この文章はSing For Youのネタバレを含んでいます。閲覧してくださる際にはお気をつけください。

 

9月8日に全国の劇場で歌姫が爆誕しました。本会場の新宿は落選しましたがせっかくLVを見てきたので少しまとめておきたいと思います。

 

今回は開演時間が19時となっていましたがまさか19時にすぐ本編が始まるとは思っておらず不意打ちのようでしたが、映像が流れ始めて5秒、もう涙が出てきました。

 

綿毛ができる前の黄色いたんぽぽのお花畑に寝そべり楽しそうに鼻歌を歌う幼い少女、幼い頃のチノちゃんです。今までほぼ語られることのなかった幼い頃のチノちゃんは年相応の元気な笑顔で、迎えに来た父と母に応えていました。youtubeで配信されていたpvでチラッと映った香風夫妻のシーンはやはり回想だったのですね。(何か時空の歪みで亡くなった母が現世に現れる、という前例が無い訳では無かったので)

 

回想が終わり話は現在に戻ります。音楽会のソロパートに選ばれたチノちゃんが運び込まれ、リゼちゃんと特訓することを決心し、甘兎でカラオケ大会を開き、お姉ちゃん達は応援グッズを作り、細かい違いはありましたが概ね原作通りに話は進んでいきます。

そして迎えた音楽会当日、ソロで歌い出す直前までまだ少し気持ちを踏み出せないチノちゃんはチノちゃんの母、サキさんが昔ラビットハウスで歌姫として活躍していた時にタカヒロさんに漏らしていたという言葉を思い出します。

「もう無理」

「今日はあなた(タカヒロさん)が歌って…」

驚きました、原作ではノリノリではじけながら歌う姿しか描かれていなかったので実は不安を抱えていたこと。

しかし実際歌う時には緊張していても楽しく歌うことが出来ていた。

その裏には

「私の歌で喜んでくれる人がいるなら」

という気持ちがあったそうです。

かつての母の想いが時を超えて娘へと受け継がれています。その両方の姿を見ることが出来た父はどのような感情を持つでしょうか。(そりゃラビットハウスを歌姫爆誕仕様に飾り付けすることをokしますね)

 

そして流れ始めるED

「銀のスプーン」と題されたサキさんがかつて歌っていた曲をチノちゃんとのデュエットVer.にした「銀のスプーン ~Blend of Memory~」がED曲となっています。

誰かのために歌うことを楽しんだ親子が今となっては叶わないデュエットを披露してくれます。

銀のスプーンをここでは2つの捉え方をし、

1つめはごちうさの楽曲「一匙のお姫さま物語」にて出てきた、物語を美味しくするためにかき混ぜるための銀のコーヒースプーン

2つめは赤ちゃんが産まれた際にプレゼントとして贈る食べ物に困らないようにとの意味を込めた銀のスプーン

この2つの意味が込められていると考えます。

1つめの解釈はサキさんのかつての記憶を今のチノちゃんの記憶、そしてごちうさのセカイに混ぜることで話に深みと新しい意味を生み出しています。

2つめの解釈は食べ物に困らないように=母から子への愛だと考えることができます。

 

劇中であまり母との記憶ははっきりしていないと父に話していたチノちゃん。しかし父から母の記憶を教えてもらうことで新たな母の思い出が生まれます。音楽会前夜にお母さんの昔の写真を見ようとした心情に新たな理由が見えます。

 

余談ですが、劇中で主題歌格で流れた曲はこの「銀のスプーン」だけです。しんがーそんぐぱやぽやメロディーをイメージソング扱いとして劇中で少しも流さなかったのは「銀のスプーン」をより引き立たせる意図があったのではないか、と思います。

 

Sing For Youの終わりの方は記憶がかなりあやふやになってしまっているので勘違いしている部分や少々理解がおかしいところがあるはずです。本編発売後に文章を修正するかもしれません。

 

ですがそれほどまでに原作だけでは到底理解しきることができない深い所まで描かれていたのでぜひSing For Youをよろしくお願いします。

(Sing For You本編まだ観てないけどこの文章を読んでくださった方もしいらっしゃるなら本編はこの記事の3億倍面白いのでぜひ)